パワーウインドウレギュレータ交換

パワーウインドウは当然ですがモータで上下しています。 しかし、長い間使っているとモータが劣化して動作が鈍くなったり動かなくなったりします。
パワーウインドウの修理 では、

というような症状の場合の対応方法です。

今回は、 「どうやら、モーターがヨロヨロになってしまったようだ」 というような場合の修理です。 このような場合は、ドアパネル内のモータを丸ごと交換します。


注意
作業中に窓を上下させますので、バッテリー端子をはずさないで作業します。
したがって、窓が完全に上下しなくなってしまった場合は、 この作業方法では対応できない場合があります。

以下は助手席側の作業の様子です。
運転手席側も作業手順は同じです。

作業前の準備
ドアパネル内にあるパワーウインドウのモータは 「ドアウインドウ・ガラス・レギュレーター」もしくは、 「パワーウインドウレギュレーター」 という部品名になります。 写真のようにモータだけでなく、窓を上下させる機構を含んだ Assy(アッシー)になります。
今回、自分は偶然にも運転席と助手席の両方が動かなくなったので、 運転席・助手席用(それぞれ形が違うので注意が必要)の2つの Assy を用意しました。 ちなみに、この部品の新品は1つ45000円、2セットで9万円もします。 私が用意したのは両方とも中古品です。 業者から2セットで2万円で手に入れました。
パワーウインドウの修理 の症状が出ないよう、あらかじめガイドホースが抜けないように補強しておきます。

パワーウインドウレギュレータ取り外し
ドアの内張りをはがすを参考にして、内張りをはがします。

ここからは私も初めてなのでサービスマニュアルを見ながら作業です(ボディ修理書 23-46)。
内側のドアノブの下の方に穴があり、その中に T-30 の大き目のトルクスネジ (ガラスチャンネルボトムスクリュー)があります。 これを最初にはずします。

このネジをはずします。
このネジは窓ガラスのガイド(前側)を支えているネジです。 ネジの下に見えるのはパワーウインドウのモータや、ドアロックモータを動かすための 配線(ハーネス)なので傷付けないように作業します。
パワーウインドウレギュレータを止めているネジをはずしていきます(ソケットは10mmです)。
まず、外側のドアノブのちょうど裏あたりにあるこの2つのネジをはずします。

次にその直下にある2つのネジをはずします。

ソケットレンチを使います。

サービスマニュアルでは、このネジについて、 リベット止めされている場合はドリルでリベットを取り除け と書いてあります。 リベット止めされている場合もあるようです。 リベット止めを取り除く方法は後述します(結局、この作業が必要です)。
ここで、車の鍵を挿し、イグニッションを ON にして、窓を下げます。 窓ガラスのガイドやレギュレーターのネジが外れているので、 慎重に下げます。

だいたい、このくらいまで下げます。
写真ではわかりにくいので線を入れました。

ここまで下げると、 このようにドアパネルの開口部に窓ガラスの底部が見えるようになります。
パワーウインドウレギュレータと窓ガラスの結合部 (これをサービスマニュアルでは「レギュレータ」と呼んでいます) のネジを外さないといけないのですが、そのままでは、手前のパイプが邪魔です。

そこで、このようにパイプをグイッとずらします。 事前にガラスチャンネルボトムスクリューや、 レギュレータを固定しているネジを外しているので、ずらせるのです。

T-30 のトルクスネジをレンチではずします。 相手がガラスなので、万が一にも割らないように、 ガラスの裏に手を入れて押さえて作業した方がいいでしょう。
ネジが外れたら、窓ガラスを手で引っ張りあげます。 結構、摩擦力があるので、ストンと落ちてしまうことはないようです。
ちなみに、ガラスに付いている吸盤は、窓ガラスの作業をするときに使う道具です。

こんな風に窓枠を挟んでガラスの裏表に吸盤を貼り付けます。 これでガラスがストンと落ちてしまう事故が防げます。
窓ガラスとパワーウインドウレギュレータを分離したら、 パワーウインドウレギュレータのモータが固定されている、 この3つのネジを外します。

モータのコネクタを引き抜きます。 爪で固定されているので、ノッチを押すと軽く引き抜けます。

ドアパネル内の底部に固定されているゴムホース(パワーウインドウレギュレータのホース)を取り外します。 単に穴に刺さっているだけなので、そっと引き抜けば外せます。
これで、パワーウインドウレギュレータがドアパネルから分離したのですが、 この部分が邪魔で取り出せません。

この部分は大きいリベット止めされています。 しかたないので、ドリル(6.5mm)で揉んでしまいましょう。
リベットの中心部分が邪魔でドリルが当てられない場合は、 ポンチで叩きます(写真はオートポンチなので押し込むだけでインパクトができます)。 そうすると、中心部分が向こうに突き抜けます。

残った部分はタガネやペンチなどで引き剥がします。
パワーウインドウレギュレータをドアパネルから取り出します。 ここから知恵の輪のような作業が必要です。 サービスマニュアルには「(ウインドウガラスレギュレータを)取り外します」 の一言しか書いていないですが、これが一番大変です。
まず、パワーウインドウレギュレーター全体を少し回転させ、 モータ部分が見える位置まで下げます。

回転させると同時にゴムホースを外に出します。
モータ部分を少し出します。 すでに、この時点でかなりきついです。

反対側のパイプの先端を引っ張り出します。 もう、これはギチギチで、パイプが曲がるんじゃないかというぐらい、 一旦、ぐぃーーっと車の前方方向に押し込んで、無理矢理引き出します。
ドアパネル内のハーネスを引っ掛けたり傷つけないよう、注意して作業します。
ここまでくれば、後は引きずり出せます。
取り外したパワーウインドウレギュレータ(右)と、 交換するパワーウインドウレギュレータ(左)です。 見た目はあまり変わらないですねぇ。

パワーウインドウレギュレータのパイプとホース部分に貼り付けてあるスポンジを剥がして、 交換するパワーウインドウレギュレータの同じ部分に両面テープで貼り付けます。
これは、ホースやパイプが走行中に暴れた場合、異音を出さないようにするためのものです。

パワーウインドウレギュレータの取り付け
交換するパワーウインドウレギュレータを、取り外しの逆手順でドアパネル内に押し込みます。

取り付け時は、パワーウインドウレギュレータが真横になるようにすると、 うまくドアパネル内に入っていきます。

このように入りました。
ドアパネル内の底部にゴムホースを固定します。

この3つのネジ(モータ部分)を固定します。 それ以外のネジの固定はまだです。
窓ガラスを落とさないようにそうっと下げていきます。

ガラスの底部とレギュレータのネジ穴を合わせます。 しかし、取り外すときと同じく、手前のパイプが邪魔です。

このように、パイプをグイッとずらしてネジを締めます。 パワーウインドウレギュレータのモータ部分以外の固定ネジを締めてしまうと、 この「グイッ」ができなくなります。
なお、このネジは 0.4N という非常に弱い力で締めこむように指示されています。 強く締めるとレギュレータ部分の可動部が動かなくなってしまいます。 レギュレータの回転部分が楽に回るかどうかを確認します(パイプを左右にずらせばわかります)。
パワーウインドウレギュレータの残りの固定ネジを締めていきます。

底部の固定ネジも締めます。
パワーウインドウレギュレータのモータのコネクタを差し込みます。

イグニッションキーを挿し、イグニッションを ON にし、 ちゃんと窓が上下するか確認します。 窓は一番上まで上げておきます。
ガラスチャンネルボトムスクリューを締めます(意外にちゃんと穴にあっています)。
取り外し時にリベットを破壊したパネルを、 リベットで取り付けなおします。

取り外し時の作業で塗装が剥げてしまった部分から錆が発生しないように、 簡単に塗装しておきます。

後は、ドアの内張りを戻せば作業は完了です。

ちなみに、私の場合、運転席側の窓が動かなくなったのはホースが外れていただけでした。
交換しなかった運転席側のパワーウインドウレギュレータは、 今後、壊れたときの予備部品として持っておくことにします。